皆さん、毎朝のヘアスタイリングには何を使っていますか?
お客様にそう伺うと、なにかしらのヘアアイロンを使っているとおっしゃる方がほとんどです。
今や、ヘアアイロンは髪をスタイリングする上で欠かせないアイテムですが、適切な温度設定や使用方法を実践しないと、髪に大きなダメージを与える可能性もあります。熱が髪に与える影響は大きく、毎日の繰り返しの使用や高温設定は髪を傷める原因となります。そこで今回は、ヘアアイロンの温度設定と髪へのダメージについて詳しくご説明します。正しい使い方を守って、美しいスタイリングを実現しましょう。
ヘアアイロンの正しい温度設定
ヘアアイロンにはさまざまな温度設定がありますが、一般的な髪のタイプに合わせた温度設定の目安は以下の通りです。
- 薄い髪やダメージのある髪: 150℃以下
- 普通の髪: 150℃〜180℃
- 高温に耐える太い髪: 180℃〜以上
しかし、髪の状態や質感によっても適正な温度は異なるため、自分の髪に合った最適な温度を見つけることが重要です。低い温度でもスタイリングが可能な場合は、できるだけ低い温度設定を選ぶようにしましょう。
また、古くなったヘアアイロンは、表記された温度よりもアイロンのプレートの温度が上がってしまう可能性があるので使用頻度にもよりますが、3〜5年くらいが買い替えの目処になります。
もし使用時に、まだ手元が不慣れで巻くのに時間がかかる場合などには、低い温度でゆっくり練習するのがお勧めです。
同じ箇所を長時間加熱することは、髪のダメージに直結します。それを念頭に置きながら、スムーズで適切な温度を選びましょう。
髪へのダメージと予防策
ヘアアイロンの高温や誤った使い方は、髪にさまざまなダメージを与えてしまいます。以下に一般的なダメージの例と予防策をご紹介します。
- 毛髪の水分喪失
熱により髪の水分が蒸発し、普段よりも乾燥した状態になってしまうため、アイロン使用時には、ヒートプロテクト効果のあるトリートメントを併用しましょう。熱の力を利用して、髪を補修してくれるような効果が期待できる商品もあります。また、アイロンで付けた形をキープしやすくしてくれる効果もあります。 - 髪のタンパク質の変性
熱により髪のタンパク質が変性し、パサつきや切れ毛の原因となります。変性した髪は、硬くごわついた質感で、髪の水分がカラッと抜けてしまったような状態になってしまいます。いくら色々なトリートメントをしても改善がみられない場合などは、この状態を疑いましょう。
毎日の高温でのヘアアイロンの使用は、この状態を招きかねません。適切な温度設定とできる限り、短時間の使用を心がけましょう。 - ヘアカラーの褪色
高温設定や頻繁なヘアアイロンの使用は、髪の表面の鱗であるキューティクルを開かせて、ヘアカラーの褪色を早めてしまうことがあります。低温設定での使用やヒートプロテクト効果のあるトリートメントとの併用をおすすめします。 - カラーリングの発色を阻害
こちらもタンパク変性の影響と言われることが多いのですが、毎日の高温でのヘアアイロンの使用は髪の状態を変え、カラーリングの発色を妨げる可能性があります。より綺麗な髪色を発色させるためには、毎日のヘアケアが大切です。カラーリング後だけではなく、カラーリング前の準備も影響することを覚えておいてくださいね。
おまけに
ヘアアイロンの使用時、意外と知られていないのは「冷えて固まる時に髪に形がつく」ということ。熱を入れている最中ではなく、髪が冷えてくる時に徐々に形が決まってくるのです。
この原理を利用すると、巻き方を多少失敗してしまっても、修正しながら仕上げていくことができます。
前髪などを巻く時は、冷めていく間にコームや指先をうまく使って思い通りの形に仕上げていってくださいね。
一方でやりがちな失敗例は、ヘアアイロンを入れた髪をすぐにほぐしてしまうこと。
こうすることで、髪に形がしっかりつく前に綺麗なカールやストレートの状態を崩してしまい、バサっとした乾燥しやすくなってしまうため、注意が必要です。
特にストレート仕上げにする場合には、すぐに手やコームを入れたくなる気持ちを抑えて、冷え切ってから整えていきましょう。
まとめ
ヘアアイロンの正しい温度設定は、美しいスタイリングと髪の健康を守るためにとても重要です。それぞれの髪の状態に合わせた適切な温度設定や予防策を実践し、ダメージを最小限に抑えましょう。適切な温度が分からない場合には、ぜひ一度美容師に相談してみてくださいね。美容師のアドバイスや信頼性の高い情報源を参考にしながら、ヘアアイロンの使い方や使用時のヘアケアについて、見直してみてください。
髪を優しく労わりながら、毎日素敵なヘアスタイリングを実践していきましょう。